Ercol 英国の椅子について

インテリア

カントリーコテージの家具

英国湖水地方に住んで25年、22年前に買ったコテージをリノベ中です。

しかし。。。工事は亀の歩みのスピードでなかなか進みません。

そんななか、地元の「売ります・買います」のネット情報でErcolの椅子のセットが売りに出ているのを発見しました。リノベのために今まで長い間使っていた牛革ソファーを、カントリー風のウッド家具に変えたいなーと思っていたところだったので早速問い合わせ、セットで中古品が出ているのは珍しかったのですぐに見せていただくことにしました。売主の方のお話を聞くと、最近お亡くなりになったお母様のものだそう・・・大切に使われていたことがよくわかります。とても良い状態の椅子でしたので譲っていただくことにしました。

調べてみるとErcolでも定番のEvergreenシリーズ、ウインザースタイルの椅子です。これは最近製造された型のようです。

Ercol Factory  

Chair Capital(椅子の王国)

Salovageという雑誌のブログにErcolについて書かれていました。短い文章ですがうまくまとめられていたので翻訳を載せておきます。写真および英文はSalovage Magazineのブログより抜粋

リンクはこちら→ https://www.selvedge.org/blogs/selvedge/chair-capital

In the year of 1875, almost 5,000 chairs were made in the small English town of High Wycombe. With an output like this, it’s not surprising that it holds the title of the chair-making capital of the UK. 

1875年、英国のハイ・ウィッカムという小さな村では約5000脚の椅子が製造されていました。ハイウィッカムが「椅子づくりの中心地」と呼ばれた由縁です。

Like many towns with renowned reputations, High Wycombe has always been proud of its huge furniture output, so much so that when Queen Victoria visited in 1877, the council organised an arch of chairs to be erected over the High Street with the words ‘Long live the Queen’ printed across the arch for her to pass under.

 ハイ・ウィカムは手作り家具の中心地であるという評判を誇りに思っており、1877年にビクトリア女王が訪問した際には、町役場がメインストリートに「女王様に祝福を」という垂れ幕のついた椅子ののアーチを組み建て、その下を女王が通ったという逸話が残っています。

It was here in this town that Italian furniture designer Lucian Ercolani set up his own furniture making business in 1920 – a company that many know today simply as Ercol. Known locally (and affectionately) as the ‘Old Man’, Lucian perfected the art of steam bending wood here in his High Wycombe workshop. His first (and one of his most famous) furniture features was the simple yet elegant Windsor bow. This design went on to become a defining feature of Ercol chairs.

イタリアの家具デザイナー、ルシアン・エルコラーニは、1920年にこのハイ・ウィッカムで自身の家具製造会社を設立しました。この会社は今日「Ercol」として知られています。地元では「オールドマン」と愛称で呼ばれていたルシアンは、ハイ・ウィカムの工房で木材のスチームベンディング技術を使って椅子を量産する技法を完成させました。彼の最初に手がけた英国伝統の椅子デザインの一つが、シンプルでエレガントな「ウィンザー・ボウ」スタイル。Ercolの代表的なデザインになっています。

Now, almost 100 years since its initial inception, the Windsor bow is still going strong. Proving itself to be a timeless piece of design, this steam-bent wooden feature is now being incorporated into Ercol’s most stylish collections – Evergreen being one of them. The chairs in this sleek line of furniture are each hand bent by two craftsmen through three different axes in their Buckinghamshire workshops.

 それからほぼ100年が経過した今でも、人気の高いウィンザーボウ・スタイルの椅子は、Ercolのコレクションの1つである「Evergreen」として生き続けています。これらの椅子は、バッキンガムシャーの工房で2人の職人が特別に作られた3つの型を通して手で曲げるという、昔ながらのスチームベント工法が用いられています。

Every steam-bent beech frame stays true to its artisanal tradition, only ever made by the hands of highly trained makers following in the footsteps of Lucian himself. While they may not still be made in the chair-making capital of England, these fine pieces of furniture remain to this day closely connected to the land, economy and cultural heritage of the town of High Wycombe.

 すべてのスチームベントの木のフレームは、ルシアン自身が極めた熟練の椅子職人によって伝統的な技法で作られています。現在これらの家具はハイ・ウィッカムで作られているわけではありませんが、これらの優れた家具作りの伝統は町の土地、経済、文化遺産と密接な関連があります。